J-WAVE LIVE 2000+6

のチケットが余っているからどう?と、昨夜友人に誘われた。CD は持っているけどライブに行ったことはなく、今後も行くつもりのなかったアーティストたちが多く、いい機会だと思って参加してきた。うん、結構楽しかった。
行きの電車の中では、二人とも行った FUJIROCK FESTIVAL の思い出話。二人とも見てたアーティストがかなり違うので逆に経験が二倍になるようで楽しい。来年も行こうな、とか、おっとその前に朝霧 JAM 行こうぜ、とか。それから雑誌 RELAX 誌休刊について。二人とも今世紀初頭の RELAX が好きだった。そして友人はそのままそれに関係する仕事に就いてしまった人なのだ。だから、最近の RELAX 誌の退廃ぶりには二人で愚痴をこぼし合っていた。早い話が「マガハに BRUTUS は二つ要らない」ということだ。書いていいのかわからないけれど、内部事情としては、広告収入を増やすための路線変更が裏目に出たということらしい。僕が好きだった頃の編集長さんは現在 ku:nel に関わっているそう。最近は RELAX と同日発売のスタジオボイスを買うことの方がはるかに多かったけれど、以前のクオリティで帰ってきてくれることを期待しています。
 
で、ライブ。トップバッターは BONNIE PINK。もうデビュー 10 周年なんだなあ。大好きな "HEAVEN'S KITCHEN" が聞けて満足。バンドがかなりダイナミック。この人のシーンにおける妙なしぶとさが好き。トーレ・ヨハンソン→ミッチェル・フルーム→またトーレ・ヨハンソンというプロデューサーの変遷とかトルコ嬢演じるとか、何か面白い。最新のベスト版が一番売れていることに本人も苦笑いしていた。最新曲の "A Perfect Sky" はパーカッシブなレゲエ調にアレンジされてて、これもまた良かった。
次がアンジェラ・アキ。シングルで二曲知っているだけだったけど、結構入り込めた。すごい声量。あのピアノ弾きながら腰浮かす歌い方が見れて楽しい。体重かけてペダル壊れないのか。ピアノだけだと意外とオーソドックスな70年代の SSW 風の曲でも、ドラムが妙に打ち込み16ビートっぽくて、そこら辺が新しさ?
その次、絢香。元気のいいお姉ちゃん。…。もう少し黒っぽい曲の方が映えるのではない?
で、山崎まさよし。あ、すごい。と、ちょっとびっくり。ギター爪弾く指に釘付け。アコギ一本で何万人もをかっさらっていく力量は本物だなあ。タンバリンとギターのリフにディレイをかけて、アルペジオを重ねていく演奏、かっこいい。ベースはいつもの中村キタロー氏。後半はほとんどパーカッション担当だった。で、アコーディオンに元ボ・ガンボスの Dr. KYON。初めて生で見られて凄く嬉しい。僕からするとすごい豪華なゲストで、山崎さんも紹介で盛り上げようとしてたけれど、「近頃の若い人たち」はどうやらボ・ガンボスなんて知らないようで、会場の反応はいまいちだった。さっき知ったのだけれど、最近はプロデューサーとしてケツメイシとか、松たか子とかまで手がけているとは。で、KYON のアコーディオンケルトっぽくアレンジされた三拍子の曲、すごく良かった。聞き覚えはある曲なんだけど、だいぶ印象が違った気がする。で、やっぱりファンキーな曲に、あの、紅葉の始まりのような声が絶妙だなあ、と思った。ちゃんとアルバム聴こう。
オーガスタ勢が続き、元ちとせ。実はちょっと期待はずれだった。あの奄美独特の唱法というのを、初めての僕は、やっぱり、期待してしまうわけなのだけれど、あの唱法を生かすには、やはりある一定の作曲技法が必要なのである。楽曲の幅を広げるのは重要なのだろうけれど、凡庸なアメリカン・ポップス風の曲に乗せて歌うと、まるで、つまらないボーカルになってしまうのだった。そう考えるとデビュー曲の「ワダツミの歌」で彼女のボーカルの全てを引き出し切った上田現の力量はすごいなあ、と思うのだった。ところで僕は「寅さん」が好きで恐らく30本くらい見ているのだけれど、『男はつらいよ 寅次郎紅の花』で使われていた、デビュー前の彼女の歌う島唄にかなり惹きつけられたことをよく覚えている。あ、キーボードは引き続き KYON。ギターも弾いてた。
で、三人の侍。つまり Char と 山崎まさよし奥田民生。"カエルサムライの歌"の輪唱、"HOTEL CALIFORNIA YOYOGI TAIIKUKAN" と会場の笑いを誘う。しかし "HOTEL YOYOGI TAIIKUKAN"、親父ギャグ*1を織り交ぜつつも、三人のギターテクを堪能できて幸せでした。三人の持ち歌を順番にこなして "Come Together" で締める。民生の曲が渋めに "ロボッチ" だったのは嬉しい。
で、トリは予想通り、くるり、だったのだけど、僕はバイトがあったので、ここで退出。去年の FUJIROCK でも、ワンマンでも見たから別にいいのだ。…。 
……悔しいです!

*1:"Welcome to the Hotel Yoyogi Taiikukan 下プール リバプール" などなど。