学会@京都の楽しみ方

 
建築MAP京都
 
 
 
 
 
 
 
昨日は2006年度日本神経科学大会の参加登録の締め切りでした。僕は金曜日に登録完了しましたが、月曜日にぎりぎりで駆け込んだ方も結構多いのではないでしょうか(去年の僕はそんな感じでした)。
さて、僕の様な旅中毒者 tripaholic (造語。英語にするとすごくヤバイ感じ)には、学会にかこつけてあちこち旅行できることが楽しみでなりません。一昨年の大阪での学会は、先輩の発表を聴きに行っただけだったのですが、ミナミの串カツにすっかりハマってしまいました。前回は地元で開催され、通うのは楽だったのですが、やっぱり遠くに行けなくてつまらなかったんですよね。
さて、今度の開催地は京都。大好きな街の一つです。そして京都を何度も訪れているはずの僕が胸を躍らせているのは、会場が国立京都国際会館だということ!
京都国際会館は、「京都議定書」を採択した京都会議なども開催された国内でも有数の一流コンベンション・ホール。今まで宝ヶ池のほとりから眺めるだけだった、あの文字通り「斜に構えた」建物の中にいよいよ潜入できるのです!!しかも発表者として!!!(棄権にならない限りは…)
やはり名建築は外から眺めるだけでなく、中から味わいたいものですから、楽しみでなりません。
 
    国立京都国際会館 (オフィシャル・サイト)
 
京都国際会館は戦後モダニズム建築の代表です。1966年竣工で大谷幸夫の設計。大谷幸夫は丹下健三の弟子であり、広島平和記念資料館などの名建築を丹下と共に設計してきた人です。そして彼が丹下の下から独立して初めて手掛けた大プロジェクトがこの京都国際会館でした。
このプロジェクトは戦後、国が主催した三大コンペの一つに数えられます(他の二つは東京の国立劇場最高裁判所)。戦後日本の建築の流れを決定付けた作品といえるでしょう。西洋建築と日本の伝統的要素との混合の代表的な例ですね。斜線を多用した構造は「稲掛け形」とも称されます。
 
戦後のコンペティションと建築に関してはの芝浦工大・井袋研究室の2002年の建築展「Architect Masurbation!!!〜コンペティションと社会〜」がわかりやすいですね。すごく凝ったサイト。見やすいか、と言われるとそうでもないですが。
 
村上春樹氏の小説の挿絵などでも知られる、イラストレーターの安西水丸氏が大成建設の社内報に連載していた建築コラムでも扱われており(ある日こんなところ:どかーんと着地した空飛ぶ船)、デッサンが歪んでいるのか、設計が歪んでいるのかすら判然としなくなってくる、イルでドープな水丸イラストを通じて、会場の予習が出来ます。しかし「絵にも描けない難しさ」って(笑)。水丸氏から聞くと何とも言えない含蓄がありますな。
 
京都にはもちろん古来から残る多くの寺社仏閣がありますが、このようなモダニズム建築が調和して街に溶け込んでいる風景は建築好きにはたまりません(その意味では近隣の方の賛同が得られないままプロジェクトが進行してしまった新京都駅は、降り立つ度に少し悲しい気持ちになります)。この他にもまだまだ未踏の建築スポットは多々あり(この間テレビで紹介されていた「長楽館」、行きたいです!)、寺社仏閣マニアでもあるので、今年の夏はなかなか忙しいスケジュールになりそうです(おい!)。『建築MAP京都』でも買って予習をしておかねば。
 
そういえば神経科学繋がりで、KIT/MIT共同脳磁研究所で有名(?)な金沢工業大学大谷幸夫の設計らしいですよ。