近くの公園に落雷。

父帰る。兄帰る。(赴任先から)
僕はといえば、母から渡されたビール券で缶ビールを大量に購入して帰る(これはただの帰宅)。
 
「新グレート・ジャーニー」を見る。これに限らず、テレビの冒険ものは、どれだけ滞在先にお礼したんだろう、とか、関野さんが樺太に到達するより先に撮影クルーは到達しているんだよなあ、とか、あ〜あ雄大な景色を撮るためにヘリまで飛ばしちゃって、とか、つまらないところが気になって白けてしまうのが、僕自身、残念。
けれどもサハリン(樺太)のドキュメンタリー部分はなかなか興味深かった。僕にとって、サハリンは、北緯50度線に象徴される領土交渉およびソ連侵攻の舞台という、抽象的なイメージしか持たない土地だったのだけれど、そこに生活する人たちのことを知ると俄然興味が沸いてくる。日本の植民地時代に入植した朝鮮系の人たちが、戦後も取り残されて、現在では大きなコミュニティーを形成しているとは知らなかった。市場は朝鮮系のお店ばかりだったなあ。ロシア系の人はキムチ食べるんだろうか。それからやはり、残留した日本人も少数ながらいるんだなあ。出てきたおばあちゃんは朝鮮系の人と結婚したから、作る料理も完全に朝鮮料理だった。子供はタタール系の人と結婚したから、孫は日本人と朝鮮人タタール人の混血。おばあちゃんの「お前は何者なんだ?」って問いかけに、孫は、鷹揚に、「ミックスだよ」って答えていたのが印象的。
この番組で日本人のルーツを3つに大別していることからも明らかなように、ミックスの結果として今の日本人がいるわけで、そもそも人類の起源にまで立ち返れば「純血」なんて考え方が意味を為さなくなるのは明らかだ。結局、強固な「純粋さ」の主張というのは、自らの想像力の限界を露呈しているに過ぎないんだなあ。ともあれ、スケールの大きな視点というのは日常生活では忘れがちでもあり、やっぱり「グレート・ジャーニー」、羨ましい。