再会〜紺色のひと〜

いい加減、体が冷えきった頃に id:Asay くんからの電話が鳴る。早速僕のいるスタバに足を運んでもらう。
僕は寒さに耐えきれず店外で彼を待つ。彼は交差点を自転車に乗って渡ってきた。前回も今回も、先に相手に気付いたのは僕の方だ、と僕は思っている。前回は初対面で、握手をして、彼の手の平の厚さにちょっと驚き、コンピュータ・スクリーン上の文字でしか知らなかった人格が急に肉体性を帯びたことに奇妙な感動を覚えたのだけれど、今回の彼は、記憶に刻まれた像をちょっと更新する類の出現の仕方で、良い意味で、特殊な友人ではなくなったのだ、と、思う。
ひゃあ、一年ぶり。とはいえ二人とも前回のことを「こないだ」と表現してしまう。お互い示し合わせたわけではないが手土産があって。僕は彼からループタイを戴き、彼にはかまわぬの手ぬぐいと風鈴を。彼は和装の似合う粋な男だし、星や月も好きのようなので、夏の夜空を描いた黒手ぬぐいと風鈴とで短い北海道の夏を少しでも長らえさせようという策。いっぽう僕が初めて手にするループタイなるもの、ふと彼を見れば、彼自身、会社帰りのワイシャツに粋に締めている。ふうむ、流石だ。昨今ではカジュアルの白シャツに細い黒ネクタイを合わせるファッションなどがなにやら流行しているようだが、俺も時流に反旗を翻し、Asay 系ファッションにでも手を出してみようか知らん。
彼に狸小路から少しはずれたベトナム料理屋に連れていってもらう。麦酒サラダ生春巻角煮炊込飯越南焼酎うまうま。それぞれのオヤジ化傾向についての話題から始まり、専門知に徹しきれないジェネラリストとしての楽しみと悩みを語り合う。科学への愛と躊躇。下劣なバトン渡した人物との話題とは思えず。昨年は週末ということもあり朝まで飲み、歌ったのだけれど、お互い明日があるので12時頃に解散。また会おうぜ。おかげさまで良い札幌初日でした。
うう、八月の札幌の夜は寒い。のに蚊もいる。しかもくじら山の近くでは夜通しの道路工事。ついていない。明日はもうちょっといい寝床を探そうかな。それでは、おやすみなさい。