マイクロRNAは神経の形態を調節する。

A cAMP-response element binding protein-induced microRNA regulates neuronal morphogenesis
Ngan Vo, Matthew E. Klein,Olga Varlamova, David M.Keller, Tadashi Yamamoto, Richard H. Goodman, & Soren Impey
Proceedings of National Academy of Science of the United States of America (2005) 102(45), 16426-31

超訳×要約=超約
マイクロRNA(miRNA)はmRNAの翻訳や安定性を調整することで、細胞の運命を決める。
miR132と呼ばれるmiRNAは、CREBとよばれる転写因子のターゲットであることがわかった。miR132は神経細胞に豊富に存在し、神経栄養物質によって誘導される。miR132の発現は神経軸作の成長を促進し、逆に、miR132の抑制は神経の成長を抑える。
著者らはmiR132が、p250GAPと呼ばれるGTPアーゼ活性化タンパクを減少させることで、神経の形態形成を調節することを明らかにした。
これらのデータはCREBに調節されたmiRNAが、外部の栄養に応答しながら、神経の形態形成を調節することを示している。
 
 
専門外の分子生物学ですが、こんな感じでよろしいでしょうか。
ということで、miR132は神経の形態を調節するようですが、miR132は反応が早く、また他のCREBによって発現される遺伝子より持続時間も長いらしいので、シグナルに反応し、長期にわたって神経細胞の恒常性を調整する役割を持っていると考えられます。
つまり、神経の可塑性とか記憶の固定とかに関わってくる、ということで遺伝子組み換えマウスなどの実験が期待されます。