表象なしの知性

いや、素直に表現すれば、ただ、頭使わずによく動いた、という。結果として頭回っていない日記に。
被験者さんが祝日にしか都合がつかなかったので、祝日だけれど、実験。寝坊しないように気負いすぎたのか、朝五時に目が覚める。
積ん読コーナー、および最近聴かない CD コーナーへと、暗闇から手を伸ばし、適当にチョイス。Advantage Lucyファンファーレ』 を BGM に奥泉光石の来歴』 を読み、日の出までの時間を潰す。
『石の来歴』 は、序盤ながら、(レイテ以降の)戦地での悲惨さと(戦後日本での)寡黙な石集めとの飄々とした対比に引き込まれる。
『ファンファーレ』 はおよそ三年ぶりにトレイに乗ったのだけれど、昔は聴きとれなかった作りこまれた音に気が付く。「真昼」なんてダブっぽいこともやっていたのか。そして「シトラス」は何年経っても、超一級の名曲。そういえば一昨年あたり大学の先輩のライブを渋谷 egg へ見に行ったら対バン相手でびっくりした。そういえばあの時は小宮山雄飛BANK$ がトリだったのだし、かなり得した気分になったイベントだった。
継続は力なり。4年ぶりに出た Advantage Lucy の新譜、評判良いみたい。
祝日の早朝の上り電車はがらがら。窓枠に缶コーヒー置いてグレッグ・イーガン万物理論 (創元SF文庫)』に耽っていたら、缶が振動で倒れた。向かいに座っていたおじいちゃんが、断末魔の叫びをあげる。大顰蹙。すみませんでした。寿命縮めていなければいいのだが。
実験はかくかくしかじかで昼過ぎに終了。
週末の登山に向けて体力づくり。2 時間泳ぐ。これだけで肩が軋む。
楽しみにしていた Designers Invitation Project を渋谷スペイン坂の UNIQLO まで見に行く。レディースは既に始まっていたけれど、先週の金曜日からメンズもスタート。第一弾はシアター・プロダクツ (Kingly Theatre Products) とのコラボレーション (シアター・プロダクツ自身のショップはすぐ坂の下にあったりする)。本家はストライプをデザインの中心に据えたラインを展開しているのに対して、こちらはボーダーがメインのマリン・テイスト。本家のドリーミーな味わいは、薄い。ジャケットのデザインは本家のストライプ・ジャケットの線分の傾きを 90 度回した感じ。パンツとかカット・ソーは、コム・デ・ギャルソンの元パターンナーがデザイナーを務めているだけあって、店内でも一際光っている。しかし、安くて品質も優れている、なんて都合の良い話はあるわけなく、コート類は、値段を抑えただけあって、生地のチープさが顕わになってしまっているのが残念。やはり、フリース素材というのは見せ方が難しい。もちろん、ユニクロが量産化する以前は高価なアウトドア素材だったはずなのだが。まあ、仕上がりの凹凸はあるにせよ、ユニクロにシアター・プロダクツのデザインが輝いているというのは愉快だ。この秋には NY にも進出するわけだし、ユニクロをきっかけに日本のデザイナーの知名度が高まる契機になれば嬉しい。僕はといえば、いまいちユニクロのサイズ体系が掴めず、試着しまくったあげく、結局、パンツとシャツをひとつづつ。どちらかと言えばデザイン先行のシアター・プロダクツとのコラボを見て、次の Scye が一段と楽しみになった。ユニクロ品質(価格)で、どのようにして Scye の良さをアピールするか?
再び大学に戻って、週末一緒に登山に行く予定の後輩と、サークル棟の屋上でテント張りの練習。台風による強風の中、難なく張れたので、たぶん、平気なはず。問題は晴れるかどうか。週間天気予報では今度の土日は曇りのち雨。