語用論①

 
認知科学への招待―心の研究のおもしろさに迫る
 
 
 
 『認知科学への招待』を参考に

 
  
 

発話として使用された言語表現の意味 (linguistic meaning) と両立可能な解釈は多数存在するにもかかわらず、なぜ、聞き手は話しての意図した意味 (speaker's meaning) をいとも容易に把握できるのだろうか

  • コードモデル
    • encoding と decoding
    • ことばはメッセージの記号(代替物)
    • コンテクスト情報が考慮されない
  • Grice の語用論
    • 発話解釈は推論にもとづく合理的な行為(協調の原理と格率の遵守によって推論が可能に)
    • 協調の原理
      • 会話の各段階で、会話の目的や方向から要求されるように貢献せよ。
    • 格率
      • 量の格率
        • 要求されている情報量の貢献をせよ。要求以上の貢献をするな。
      • 質の格率
        • 偽と信じていることを言うな。充分な証拠なきことを言うな。
      • 関係の格率
        • 関係のあることを言え。
      • 様態の格率
        • 明瞭で簡潔に順序立てて述べよ。
    • 問題点
      • 心的モデルとしての視点が欠如
      • 推論は表意(明示的に言われている内容)の把握にも働くことを見落とす
  • Sperber & Wilson の関連性理論
    • 現在の主要理論
    • Grice の推論モデルを批判的に継承
    • 「関連性の高い情報」を求める生まれながらの認知上の特性を仮定
    • 関連性の伝達原理
      • 発話など意図明示的伝達行為は、それ自体の最適な関連性の見込みを伝達する
    • 言語能力モジュールと語用論モジュールの区別を強調
    • あらゆる種類の情報がコンテクストとなる
    • 語用論モジュールと心の理論(心を読む能力)との関係は?