言語
おひさしぶりです.今年も,いや,この 5 年も,いろいろありましたが,結局のところ,図々しくも,僕は元気です.いや,あまり元気がないかもしれません.君はどうですか? このところ,道徳について考えていました.いや不道徳について考えていたといった…
2008 年 11 月 9 日に専修大学で行なわれたシンポジウム「生成文法の可能性」に参加し、いつもブログ上でお世話になっている id:dlit さんともお会いすることが出来ました。お会いした感想としては同じく、若け〜というのと、やっぱり言語学の方はきれるな〜…
北海道でのお仕事終了。夜の飛行機まで遊ぶぜ!と意気込むも UFJ 銀行 ATM サービス停止により金欠。中島公園の木陰で缶ビール飲みながら Buzsaki 読む俺。札幌は真夏でも木陰に入れば快適この上ない。 あとで文学館の吉増剛造展を見よう。昨年は太宰治展に…
昨夜は資料集めのために初めて本郷の文学部図書館に行ってきた。読みたくても身近になかった本が地下の書庫にみっちりと背を並べていてひどく鼻息が荒くなった。こういった知識の大洪水を前にすると一生かけてもとても吸収しきれない量に絶望すると同時にわ…
明日、行きます。 1950年代の「認知革命」以来、着実な歩みを続ける認知科学を取り上げます。研究の第一線で興味深い成果を発表し続ける3人の研究者を迎え、発達、言語、神経科学などをめぐる諸問題に鋭く切り込みます。認知科学を志すかたがた、認知科学の…
ゲアリー・マーカス Gary F. Marcus 『心を生みだす遺伝子』は最新の分子脳科学の知見から精神の発生学に挑んだ良書だった。同著者の 『The Algebraic Mind』 はどうやら翻訳は出ていないらしい。コネクショニズムと記号操作モデルを比較的フェアに比較して…
*1 結構小難しい本を読んでいる人でもアニミズムをアミニズムと間違っている人が多い。神道好きとしては見逃せない。ここ一週間でもいろんな人のブログでしょっちゅう見かけたので何らかの体系的エラーなのだろうけれど、音韻論はあまり真面目に勉強してない…
id:nosem さんにお会いしに、日本大学で行われた社会言語学会に (げふんげふん) してきた。本や論文を読むのも大事だけれど、やっぱり生の声というのは何にも代え難く貴重で、nosem さんのお話を聞けて本当に勉強になった。お疲れのところ、ありがとうござい…
脳軟膜を剥いたり、小脳を切除したり(飽くまで画像上で)の単純作業に飽きたので 息抜きに言語学の講演を聴きに行った。 The Biological Perspective on Language Günther Grewendorf (University of Frankfurt am Main) Abstract: I would like to discuss t…
と題された教員談話会を聴いてきた。 「脳の話:言語と認知」 信原幸弘・酒井邦嘉 今回は、脳の情報処理をめぐる根本的な問題をめぐって、哲学者と脳科学者が正面切って論争を行う。 信原:「言語は構文論的な構造をもつ点に顕著な特徴があるが、そのような言語…
外池滋生先生の集中講義。4日間でミニマリスト入門から数量詞に関する応用、日本語のScrambling、日英語の比較まで。 今日は主に Radford の 『Syntax: A Minimalist Introduction』 と 『English Syntax:An introduction』 を流す。一日でこれだけ網羅する…
新しい実験の刺激文*1作りのために月曜日から言語学の先生と一緒にミーティングを重ねている。 見たい効果は統語すなわち文法形式なのだが、言語である以上、そこに意味が付帯する。意味の要素が見たい効果を打ち消したりしないように、様々な状況をイメージ…
アルフォンソ・リンギス『何も共有していない者たちの共同体』より*1 経験主義者とは、一人の人間から他の人間へ、一点のあいまいさもない一つの情報を伝えようとするあらゆる努力に、くちばしを挟んでくる干渉の悪魔である。「経験主義が正しければ正しいほ…
ウィリアム・ジェイムス『プラグマティズム (岩波文庫)』より。 諸君はふたつのものを結合せしめるようなひとつの体系を要求している。すなわち一方においては事実にたいする科学的忠実さと事実を進んで尊重しようとする熱意、簡単にいえば、適応と順応の精…
『認知科学への招待』を参考に 発話として使用された言語表現の意味 (linguistic meaning) と両立可能な解釈は多数存在するにもかかわらず、なぜ、聞き手は話しての意図した意味 (speaker's meaning) をいとも容易に把握できるのだろうか コードモデル encod…
Broca's Arrow: Evolution, Prediction, and Language in the Brain Cooper DL. Anat Rec B New Anat. 2006 Jan;289(1):9-24. 著者のCooperさんはどういった人物なのか皆目わからない。元プリンストン大学の学者で、アメリカ陸軍を退役し、上級連邦政府高官…
ことのはのいしずゑ (我が駄訳) 言語に限らず、脳内表象・計算など、真っ当なことをおっしゃっている。 本日は第2章を p.22 まで翻訳。
(3)の続きです。 今回でこのシリーズはとりあえず終わりにしようと思います。 4. 同音異義語と多義語の質的な差異に関して ここでは最新の脳科学研究を紹介し、それが語彙意味論にどのような示唆をもたらすかを検討する。 The representation of polysemy: M…
(2)からの続きです。 3.語彙意味論における理論と実証的研究 ここまで見てきたように、語彙意味に分析的な内部構造を仮定する理論はFLらによる批判を免れないものである。しかし GP が示したのは、まさに FL らが批判する事象構造という動詞内部における分…
(1)の続きです。 2.Fodor & Lepore (1998) における生成語彙論批判 The Emptiness of the Lexicon: Reflections on James Pustejovsky's The Generative LexiconFodor J. A. & Lepore E. Linguistic Inquiry(1998), 29(2),269-288 彼らの主張は一貫してシン…
近年の生成文法において語彙の重要性が増してきたことに伴い、豊かな意味特性を含むものとして語彙を捉え、それらが統語構造にどのよう反映されているかを問うことに関心が集まってきた。Jackendoff (1983) 以降、語彙意味論の分野は活性化し、語彙概念構造 …
The brain differentiates human and non-human grammars: Functional localization and structural connectivity Friederici AD, Bahlmann J, Heim S, Schubotz RI, Anwander A Proc Natl Acad Sci U S A. 2006 Feb 6; [Epub ahead of print] 人間のみが持…
List of Grammatical Case | Wikipedia ひゃあ。格ってこんなにたくさんあったのか。 やっぱり色んな言語をさわりだけでも知っておくことは大事ですね。 全てを統一的に扱える理論とかあるのだろうか? こんなのを見ると見通しが暗くなる・・・。
難読症 dyslexia とは、一般的な知能に異常は見られないにもかかわらず、文字の認識や書字に困難を抱える症例一般を指します。難読には(幼児期からの)発達性のものと(脳損傷による)後天性のものがあり、発達性のものは遺伝的な要因が示唆されています。 …
Lexical word formation in children with grammatical SLI: a grammar-specific versus an input-processing deficit? Heather K.J. van der Lely, Valerie Christian Cognition (2000) 75 33-63 要約 SLI (specific language impairment:特異的言語発達障…
脳は優秀な予想屋です。外界に適応していくためには、常に外界の環境を察知し、次なる状況を予測しなければなりません。 これは言語に接しているときも同じです。すばやく文の内容を理解していくためには、予め文脈から次に来るだろう言葉を予測しておくこと…
まず広島大学、遠い。広島まででも遠いのに、そこから更にローカル線、バスを乗り継ぎ、1時間はかかる。とにかくこんな山の中とは知らなかった。だけど、というか、だから、とてもキャンパスは広い。建物もきれい。でも、こんなところで4年間過ごせないな、…
The emergence of the unmarked: A new perspective on the language-specific function of Broca's area Tanja Grewe, Ina Bornkessel, Stefan Zysset, Richard Wiese, D. Yves von Cramon, and Matthias Schlesewsky Human Brain Mapping (2005) からの続…
Language Acquisition and Brain Development Kuniyoshi L. Sakai Science (2005) ボス(≠ブルース・スプリングスティーン)の記事。 今週のサイエンスはシステムレベルの脳発達特集。 おってレポートします。ミドルネームのLの意は未だもって不明 関連新聞記…
The emergence of the unmarked: A new perspective on the language-specific function of Broca's area Tanja Grewe, Ina Bornkessel, Stefan Zysset, Richard Wiese, D. Yves von Cramon, and Matthias Schlesewsky Human Brain Mapping (2005) ブローカ…