平成理想主義

今日は本郷にて Buzsaki の 『Rhythms of the Brain』 の勉強会メンバーと忘年会。発達心理学分子生物学、ロボット工学まで幅広いメンバーが集う。誰もがそれぞれの専門知を愛しながら、かつ、他領域の知へと接続しようという意欲に溢れている。とても気持ちのいい、そして発展的な年の瀬のひととき。
結局それぞれの分野にはそれぞれの分野ごとの尊重すべき知見があるのであって、それを他分野の者が頭ごなしに否定していく限りでは全くもって非生産的である。有意義な領域横断とは専門領域の知を他領域の知へとを翻訳し、接続点を見いだす作業に他ならない。
C. P. スノーのいう二つの文化を架橋する鍵は脳科学にあると手前味噌ながら僕は思っている。それは脳が環境と主体が相互作用する現場そのものであるからでもあるし、逆説的ではあるが、心理学化脳科学化していく社会の中で脳が余りに過大評価されつつあることに自覚的でありうるからでもある。
現段階の日本では領域横断的研究はいまひとつうまく行っていない。それは世代的・環境的な理由によるものであると信じたい。原理的な壁は存在しないのだと。僕らの世代こそ領域を柔軟に横断する初の世代であると今は夢見ている。それこそが、僕と僕の友人たちとが最期まで結ばれうる唯一の道なのだから。