おだやかな暮らし

昨日は夏休み屋外映画祭の設営の仕事で多摩センターというところに初めて行ったのだが、駅前のパッケージングされた光景にたまげた。到着したのはまだ太陽が真上にある時間で、西洋気取りの街は煌々と照らされていて、その歴然としたチープさに嫌悪感を禁じ…

岩明均『ヒストリエ(4)』

これ買ったら全財産が120円になるとわかっていつつも、この人の作品だけは買わないわけにはいかないのだ。夜通しのバイトが明けて大学に向かう電車の中で読んだのだけれど、泣けて泣けて困って、乗り換え駅の渋谷駅のベンチで泣き止んでから、また電車に乗っ…

Gタンパク質と膜貫通型レセプターとの結合について。

わ。わ。わ。 微々たる給料が入ったからと言って、中野くんだりの陋巷にて陽水聴きながらつけ麺などすすつている場合ではないのだ。そうこうしてるうちにも Asay くんのところから好奇に目をてらてらと輝かせた忌まわしき輩共が押し寄せて来ているではないか…

イアン・ハッキング『何が社会的に構成されるのか』理論編Ⅰ

半年前に読んで記憶から消えかかっていたが、id:boy-smithさんに薦めてみた手前、再読。写真は5月に道志川キャンプ場で行われたNatural High!という野外音楽イベントでのもの。 『記憶を書きかえる―多重人格と心のメカニズム』、『偶然を飼いならす―統計学と…

あたし、待つわ。

*1 結構小難しい本を読んでいる人でもアニミズムをアミニズムと間違っている人が多い。神道好きとしては見逃せない。ここ一週間でもいろんな人のブログでしょっちゅう見かけたので何らかの体系的エラーなのだろうけれど、音韻論はあまり真面目に勉強してない…

花の命は短くて。

マグロだのカツオだのといった魚たちは泳ぎを止めてしまうと呼吸が出来なくなってしまうので眠らずに泳ぎ続ける。幼い頃その話を聞いた僕は半分嘲けりの気持ちを込めて哀れんだものだった。しかし、今の僕は、まさにその哀れむべき状態にある。夜になって研…

十六番目の月が一番好き

刺激提示プログラムにエラーがないか、確認。ほぼOK。明日は刺激提示装置と TMS (脳を磁気で刺激する装置) とを接続する。 夕方、キャンパスで言語屋さんの十六○くんに会い、季節はずれのおでん (だいこん) を貰う。真夏におでんとは粋な男だ。 言語運用 per…

マラノーチェ@渋谷シネマライズ

ガス・ヴァン・サントの封印されていた長編デビュー作。 日曜日の夜、パルコ劇場の舞台撤去の仕事をしていたとき、向かいのシネマライズではちょうどこの作品が上映されていて、悔しくてたまらなかった。昨日仕事に一区切りがついたのでここぞとばかりに。 …

それだ!それだ!それが出れば画になりますよ

採菊東籬下(きくをとるとうりのもと)、悠然見南山(ゆうぜんとしてなんざんをみる)。ただそれぎりの裏に暑苦しい世の中をまるで忘れた光景が出てくる。垣の向うに隣りの娘が覗いてる訳でもなければ、南山に親友が奉職している次第でもない。超然と出世間…

頭痛は頭痛もち 物理主義は汎心論を含意するか

Galen Strawson らによる論文集『Consciousness and Its Place in Nature: Does Physicalism Entail Panpsychism?』 に対する Jerry Fodor の書評 "Headaches has themselves" (London Review Bookshop) を翻訳しちゃった。追記: 『Consciousness and Its Pl…

Red Hot Chilli Peppers Live 20070606 @ Tokyo Dome

…の撤去作業をしてきたゼ!(空中キャンプ風) レッチリの音自体はライブ後盤の "By the way" 、(恐らくフリーの吹く) トランペット、アンソニーの激しいラップが聴こえた程度。まあ昨年の FUJI ROCK では最前列で楽しめたのでヨシトスル。ドーム前の本屋はレ…

ギターポップ・カフェ#3に出演します。

今から1年前、友人の友人(現バンドメンバー)が主催するギターポップ・カフェという DJ イベントに遊びに行ったのですが、そのイベントも今回で3回目、ついに僕もライブで出演しちゃいます。merrymerryというバンドでアコースティック形態でやります。僕はド…

今夜、どこかのバーで

雨の夜、いつ来るとも知れぬ客を待ちながら 覚えたてのカクテルを流し込み 静まり返った店内で『愛のゆくえ (ハヤカワepi文庫)』を読む ここは大切な思いを綴った本だけを保管する図書館 ふとドアが開いて本を携えた女の子が入ってくる ヴァイダのような完璧…

夕方に簡単に雨が上がったその後で

規律=訓練の行使は、視線の作用によって強制を加える仕組みを前提としている。見ることを可能にするテクノロジーによって、権力の効果が生じる装置、しかも逆に、強制権の諸手段によって、それらが適用される当の人々がはっきり可視的になる装置を前提とす…

セカンド・ノンカミング

学会に向け要旨作成中。1文目:言語学。3文目以降:神経科学。 要するに2文目こそが、腕の見せ所であり、かつ、僕が従事する分野の原理的隘路を顕にするのである。無い腕は揮えぬ。ぐぬ。

Welcome to the De(s)sert of the Music

土曜の夜に僕は とってもいい気分さ 思いっきり走り出したい 思いっきり走り出したい 思いっきり叫び出したい 思いっきり叫び出したい 通りをすべる透明な風が 僕の心誘っている ああ 愛って何だろう ああ どんなもんだろう曽我部恵一「土曜の夜に」 土曜日は…

ぽかぽかなので踊りましょう。

たびたびこのブログにもコメントしてくれている中高からの音モダチ kms が本日3月10日、イベントをやるのでお知らせします。当日で申し訳ありませんが。僕もちょっとだけ時間もらって二曲ほど回させてもらうつもり (HIPHOP やソウルかけたい…趣向からズレる…

大阪春の靭

朝、7時半に梅田着。寝呆けた頭のまま PRONTO でカプチーノとハムエッグトーストの朝食。一服してようやく目が覚める。どうやら深夜バスではトイレ休憩も含め、一回も目を覚まさなかったらしい。初めての経験。場違いな人間になってゆくに従って、図太さも増…

僕(ら)が旅に出る理由(3)

僕が旅に出る理由は大体100個くらいあって 3つ目は春の嵐が僕の背を押したこと。 今日の夜の入りはすごい嵐だったけれど、本屋に避難して立ち読みしている間に雨はすっかり上がっていた。 髪を切りにいったら、目の前におかれた雑誌はBRUTUSの茂木健一郎特集…

老いてなほ

新宿センタービル前で24:30発の夜行バスを待つ。広場で同じようにバスを待っている人たちは、みな十代後半から二十代そこそこで、つまり大学生ぐらいの人たちが多い。この中では僕は年輩に属するのだろう。僕が乗るバスは新宿〜大阪の運賃が4200円であり、こ…

サンデー・セタガヤ・サンデー

id:nosem さんにお会いしに、日本大学で行われた社会言語学会に (げふんげふん) してきた。本や論文を読むのも大事だけれど、やっぱり生の声というのは何にも代え難く貴重で、nosem さんのお話を聞けて本当に勉強になった。お疲れのところ、ありがとうござい…

本日の古本@研究室

研究室を去る同学から B.Partee ら『Mathematical Methods in Linguistics』と守屋悦朗『形式言語とオートマトン (Information Science & Engineering)』を合計2000円、格安で譲り受ける。

カンデル積んでる。

昨年、北海道のイベントで知り合った野澤くん (名前出しちゃっていいんですよね?) のサイトをご紹介。 melonsode.fem.jp 僕も昨日見つけたばかりで全部のコンテンツを探検したわけではないんですが、神経科学の教科書の決定版、カンデル Eric R. Kandel *1…

批判力を鍛える大人のおもちゃ

川島隆太先生が Nature Neuroscience に登場。といっても論文ではなく、脳トレ・ゲームに関する注意を喚起するEditorial (編集前記のようなもの) の中で真っ先に名前が挙げられているのだ。 Exercising to keep aging at bay Nat Neurosci. 2007 Mar;10(3):2…

本日の古本@河野書店

飯田隆『言語哲学大全Ⅰ 論理と言語』 ¥1500にて。 このシリーズ、4巻もあるのか…。果てしなく長い道のりだな。次のターゲット本は現代思想のヴァレラ特集。ヴァレラの論文の翻訳がいくつも。涎出てきた。それから書き込みありとはいえミンスキー『心の社会…

かかる暮らしの味気なさ

「サイエンスZERO」 という NHK の科学番組が研究室に取材に来た。眞鍋かをりと哲学者の黒崎政男先生が出演しているやつで、たまに見ると結構面白い。 昨日うちの先生から、「実験風景などを撮影するかもしれないから」と言われ、ちょっと気合入れてしまった…

コネクショニスト・モデルと神経科学による意識の統一的解釈

昔作ったレジュメを読み返したらなかなか面白い内容だったので。まとまっていませんが参考までに。 Consciousness: converging insights from connectionist modeling and neuroscience Tiago V. Maia and Axel Cleeremans Trends Cogn Sci. 2005 Aug;9(8):3…

脳の中の意図

風も自分の思いのままに吹いているが、あなたはその声をきいても風がどこから来てどこへ行くかを知るまい。霊から生まれた人もそれと同じである。ヨハネ福音書第3章 1-8 本当の自由意志を理解する鍵は、奥深くにある何か特別な塊の中ではなく、文化に囲まれ…

自家撞着

あれだけ幾たびも死にたいと思いながら未だに生きているなんて やっぱり信用ならない奴だと思うし、 あれだけ幾たびも死にたいと思いながら未だに生きているなんて やっぱり信用しても良い奴なんじゃないか、と思った。

スピリチュアルなふたり

おれは気のおけない知人と飯を食うのがとても好きだ。そしてひとりで飯を食うことも非常に好きだ。結局飯を食うのが好きなだけなのだ、という気もしないでもないが、おれは今夜もひとり学食で楽しく飯を食っていた。坂本龍一に言わせれば、ひとりで飯を食う…